人にも地球環境にも優しい茅葺屋根
高い静寂性と断熱性、通気性が魅力の屋根
茅葺屋根の家は非常に静かです。屋内に入ると多くの方がその静けさに驚きを隠せません。また断熱性や保温性にも優れているほか、通気性も兼ね備えた万能の屋根です。現代の最高技術を駆使しても、これほどの機能を備えた屋根を作るのは難しいといわれています。そして廃材となってしまった場合も土に帰すことが可能など、環境にも優しい材です。この古くて新しい茅葺屋根を、堪能してみませんか?
茅葺の知識
茅について
よく勘違いされていることがあるのですが、茅とは屋根材として使用される草の総称です。したがって茅という名の植物は存在しません。代表的なのはススキや葦、シマガヤ、チガヤ、カルカヤ、カリヤスなどで、ほとんどがイネ科の多年草です。
茅葺屋根の良さ
茅葺屋根の家は非常に静かです。屋内に入ると多くの方がその静けさに驚きを隠せません。また、断熱性や保温性にもすぐれている他、通気性も兼ね備えた万能の屋根なのです。その反面、素材の特性から火事には非常に弱いというデメリットもありますが、現代の最高技術を駆使しても、これほどの機能を備えた屋根を作るのは難しいといわれています。
茅葺屋根の寿命
茅葺屋根の寿命は、茅の種類によって大きく異なります。麦わらの屋根はススキや葦の屋根と比較して、3分の1程度の寿命だといわれていますし、稲わらは麦わらの3分の1ほどの寿命だとされています。気候や地形などの立地条件にも左右されますが、ススキや葦の葺き替えは20~30年くらいで行なうのが一般的です。
時期
ススキを材料にした主屋の場合、以前は一代に一度、つまり25年前後で葺き替えるといわれていました。ただ、かまどや囲炉裏が使われなくなって家屋内から煙が消えた現代の民家では、屋根の寿命が縮み、15年前後で葺き替え時期を迎えるケースが多いようです